両手にそれぞれゴールドカードとプラチナカードをもって「経費で」と言う、ということはFFの魔法に例えると少なくともメテオ、プラチナ2枚とかになるともうアルテマレベル。たいてい連発してると勝てる。
なんなら装備的に強すぎる。バリアントナイフ二刀流みだれうちくらいの威力が出るので、ラスボスも一発で倒せる。
そう思っていた時代が、僕にもありました……
クレカで学ぶ節税術
個人事業主になるととにかくいろんな支払いが多くなりますね。
特にお客様との打ち合わせで新幹線使ったり、ときには飛行機使ったりの移動や、食事代なんかもかなり多くなります。ああ、お金が飛んでいく……
サラリーマン時代考えていました。
「経費で落とそう」
これめっちゃ魔法の言葉のように聞こえたんです。会社のお金で飲んだり食べたり移動したりするわけなので。でも考えてみると、個人事業主≒社長ってなったら、会社は私です。
別に自分のお金が減らないわけじゃないんです、どう考えても普通に私の財布から飛んでいきますね!
「経費で落とそう」のつかいどころ
じゃあなんで世の中の経営者は「経費で」という魔法を唱えられるのでしょう?
私はこの魔法を習得するまでにかなり時間がかかりました。まず私は、私より一足先に個人事業主になった先輩(仮名:ますださん)に聞いてみました。
(めっちゃ好き放題お肉を食べる)
まあ私が世の中を知らなさすぎなのでとてもいい勉強になりましたよね…
結論:経費はお金がわいてくる魔法の呪文ではない
錬金術はないんだよ!!
じゃあなぜ『経費』を使うのか?
では世の中の社長たちはなぜ「経費で」を使うのでしょう…
経費は、会社が売上をあげるために使う費用です。たとえば私の姉なんかはハンドクラフトが好きでよく手芸屋さんとかによく行くのですが、これを売り上げとして考えてみましょう。
作ったものを1000円で売ります。
材料費は500円です。
材料を買いに行くために使った電車代は200円です。
この場合、材料費は原価、材料を買いに行くために使った電車代は経費になります。
売上-原価-経費=利益
ですので、利益は1000-500-200=300円です。
(すっごい単純に考えるとこうです。私は複雑な計算ができないのでやめときます)
原価=売り上げに直接かかわったもの(材料費)
経費=売り上げに直接かかわらないが、売り上げのために必要なお金(経費)
となります。ますださんとご飯を食べにいったとき、『経費』はますださんの売上とは関係ないんですけど、『経費計上』できるというところに意味があります。
利益を増やすということ
ますださん「まちは一年で1000万円売り上げました」
私「すっげー!」
ますださん「たとえの話ね。所得税って知ってる?」
私「私生まれてこのかた給与明細みたことないんですけどなんか天引きされてるって話は聞いたことがありますね」
ますださん「よくそれで生きてこようと思ったね」
私「考えなきゃいけないことはそのとき考えます」
ますださん「わかったわかった。1000万売り上げたらいくら所得税かかるでしょう?」
私「ちょっと待ってググります」
ますださん「はーい正解は33%ですね!つまり1000万円売上したらそのうち330万円税金としてお国に納めないといけないので、まちの手元に残るのは670万ですね!」
私「うっそだろ」
ますださん「でもこれは経費が一切ないと考えたときの話です」
ますださん「所得納税の税額の計算の仕方は、
(総収入金額-必要経費-青色申告特別控除額-所得控除額)×所得税速算表の税率-所得税速算表の控除額=納税額
ですね!」
私「『ガッシ!ボカッ!』まちは死んだ。」
ますださん「ザオリク」
私「あっすいません自分FF派なんですよ……」
=========================休憩=========================
ますださん「じゃあまちが1000万売り上げたうち200万経費で使ったので、もともとまちの手元に残るのが800万です。そうするとどうなるか」
私「税金が減る!」
ますださん「その通り。900万以下だと税金は23%なので、800万のうち184万が税金になります」
私「ちょっとまってくださいね…手元に残るのが800万で税が184万ですよね…つまり手元に残るのは800-184で616万。さっきより減ってるやんけ!!」
ますださん「そうだよ。持ってるお金はちゃんと減るよ。でも経費として使えばなんかしら物は残るよね。そもそも経費って本来必要なものを買うお金だからね。でも税金は納めるだけですよ。これ減るじゃん」
私「ほんとだ!」
経費をクレカで支払うとどんなメリットがあるのか
前置きが長くなりましたがここからが本題です。
じゃあカードをシュッと出して「経費で」ということになんのメリットがあるのか?
①キャッシュフローの問題
ますださん「必要な設備投資のためにPCを買おうと思いました。現金で払いたいけど今まちは手持ちがありません」
私「カードで」
ますださん「正解」
まずキャッシュフローが楽になりますよね。現金払いは計算が楽ですが、何か月後にいくらないといけないのか、今いくら持ってないといけないのか考えることも経営には必要なポイント。
ますださん「カードで払っても、それは結局払うことに変わりない。でも『今』なくてもいい」
私「はい」
ますださん「『いつ』『いくら』支払わなきゃいけないのか、カードはわかる。個人のカードの明細くらい見るでしょ?そんで月末口座にいくらないといけないのか考えるよね?」
私「カードの明細はしょっちゅう見てます。軽率に推しに課金するマンなので」
ますださん「減らしていこう。それと一緒で、最終的に利益がいくらになるのかちゃんと見通せるから、利益を減らすことによって納税額を減らすことができる」
私「実った米を理不尽にお代官に持っていかれることはない」
ますださん「納税は義務(真顔)。理不尽じゃない。でも自分の工夫次第で減らすことができるしそれは合法的な手段だよね」
私「納税は義務(真顔)」
②ポイントの問題
ますださん「資料としてネットで本を注文しました。何で払う?」
私「カードで」
ますださん「正解。じゃあネットで買い物したら買ったうちの1%ポイントが付きます。1ポイント=1円として使えるところだとしましょう。10万円本買ったらポイントはどのくらいつく?」
私「10万の1%だから(ここで携帯の計算機を取り出す)」
ますださん「1000円」
私「1000円」
ますださん「カードで買うと1000円分まちはポイントでお買い物できます。まちの手元から現金は減らない」
私「つまりコミックス2巻分くらいを実質ただで買える」
ますださん「そうです」
私「ちょっと買い物してきます」
ますださん「必要な本を買ってください。漫画を10万買ってみたいなことは会社のお金でやらないでください」
私「なんでですか」
ますださん「それはまち個人のお金じゃなくて、会社のお金です。公私混同しない」
私「そっか??でも私いま一人だから私=会社ですよね?」
ますださん「そうなんだけど、商売っていうのは信用で成り立ってるよね。取引先が自分が払ったお金でバカスカ漫画買ってたらどうよ?」
私「すっごいムカつく!」
ますださん「正確にはそういうことではないんだけど多分まちにはこれが伝わりやすい。会社と私は完全にイコールではないよ」
今は所得税もクレカで払える
ますださん「今は所得税もクレカで払えます。つまり、さっきの話でいうと180万くらいの所得税をカードで払う。仮に1%ポイントがつくとすると?」
私「1万8千円のポイント」
ますださん「つまりまちがそのポイントでまたお買い物ができる」
私「1万8千円あれば完全版のコミックスセットめっちゃいっぱい買えるじゃないですか……」
ますださん「うん」
ますださん「でも注意するのは、当たり前だけど手数料がかかる。カード会社の人も、国税局の人もお仕事してるからね」
私「世の中はそんなに甘くない」
ますださん「でもポイントザクザク」
私「ちょっと国税庁のホームページ行ってきます」
こちらのページで詳しく調べてみました!
→「知ってた?クレジットカードで納税できます!」
まとめ
ますださん「まあ何でもかんでも『経費で』攻撃は通用しない。ちゃんと使ったら払わないといけない。でもどのくらい自分が得するのか見直してみるチャンスだよ」
なんでもかんでも「経費で落とす」のは必ずしもGoodではないですが、使いどころをちゃんと見極めることができればかなり得するテクニックになります!
いや、1万8千円ってジョジョ3部~5部まで電子書籍でまとめ買いできるレベルだぞ。すごいですよそれは!
勉強になりました……