クレジットカードって私は実は一枚しか使っていません。
しかも個人だし、使う用途は最初はショッピングだけでした。
でも公共料金の支払いなどにクレジットカードを使うようになり、引き落とし額が増えていくにつれ思うことがありました…
「これ、引き落としできなかったらどうするんだろう…?」
あまり笑えない話なのですが、明細で引き落とし額を確認するたび口座残高を気にするようになりました。
そこで思うのが、なぜカード会社は私にクレジットカードを使わせてくれるんだろう?
それはつまり、返済能力がちゃんとあるということですよね。
法人や個人事業主など、使用シーンがビジネスになれば、その分利用額も大きくなるし、審査も厳しくなるというのはよくわかります。
では実際カード会社は何を見て審査しているのか?いろいろ調べてみました。
与信審査って?
与信(よしん)とは、融資や信用取引などの融資に関する枠を供与すること。信用を与えるという意味になる。例えばクレジットカードなどの申込をする際にショッピング枠やキャッシング枠などが設定されるが、この枠が与信額となる。
-「金融・経済用語辞典」http://www.finance-dictionay.com/より引用
与信とは文字の通り、「信用を与える」ことです。この場合の信用とはもちろん「借り入れたお金を返すことができるか?」ということです。
たとえば個人ですでに使っているカード会社で法人カードの申し込みをするとしましょう。
すると、もう社内に個人の信用情報があるので、社内情報を使用して審査しますが、社内に情報がない場合外部の個人信用情報を法律に基づいて請求し、それを使用します。
いわゆる、「クレジットカードヒストリー」というやつですね。
審査では「4C」という軸で個人の信用力を判断するようです。
- Character(人格)
- Capacity(支払い能力)
- Capital(資産)
- Control(自己管理)
以下では1つ1つ説明していきます。
1.Character(人格)
与信の判断基準となる「人格」は、「返済意思」の強弱や責任感です。
個人のクレジットカードを持っていても、何度も返済遅延をしている場合、責任感がないんだな…と判断してしまいます。過去のクレジットヒストリーを見れば明らかにわかる情報です。
Capacity(支払い能力)
さて、「支払い能力」は何をさすのか、それはずばり勤務先の安定度や、申込者の安定度です!
- Aさん…年収3,000万のタレント
- Bさん…年収300万の会社員
こうなったときに、どっちの信用が高いのか?といえば実はBさんになってしまうのです。
Aさんは年収が高いのですが、職業としては不安定と判断されてしまいます。逆にBさんは年収が低くても、企業に勤めている→信用がある、という判断がされます。
これ、難しいですよね。転職ということも、審査の与信に大きくかかわってきます。
- Cさん…勤続年数は少なく、転職を繰り返しているが年収は上がっている
- Dさん…年収は上がっていないが長く1社に勤めている。
このケース、どちらが信用が高いのか?と言ったらDさんになります。
Cさんの転職先がいくら大手企業でも、勤務年数が重要な与信要因になります。
ライフステージ、環境の変化で転職をすることは誰にでもありますよね?でも日本において勤務先を変更するということは基本的に与信の低下につながります。
なぜならクレジットカード会社が横断して情報を共有するということがないからです。
そりゃ、クレジットカードの利用履歴って立派な個人情報ですし、簡単にいろんな会社に共有されたくないですよね…そう思いがちなのですが、逆にそれは一つのクレジットカードの優良顧客だったという事実も共有されないということなのです。
なので、勤務年数が重要な判断情報として利用されるのです。
でもこれ、最初に書いた外部の情報センターを利用することで良いクレジットヒストリーが審査に使われるようになりつつあります。もちろん情報センターは法律に基づいて情報公開しますし、クレジットカード会社も法律のもと情報の請求をします。
Capital(資産)
これはわかりやすく、預貯金がどのくらいあるのか、不動産や有価証券などの資産があるのかを見ます。
銀行で口座開設をして、銀行系のクレジットカードを作ろう!となったら、預貯金の額はすぐわかりますしね。
Control(自己管理)
これは、Characterと同じようになってくるのですが、いくら不動産などの資産があっても返済意思がない、支払いの遅れが続いている…などなると、自己管理能力がない!と判断され与信はできません。
審査担当者はなにを見ているの?
さて、銀行やクレジットカード会社の審査担当者はいったい何を見ているのでしょう?
すでに社内情報がある場合、クレジット利用履歴を見たり、支払いに遅れがないという
ことを確認します。
過去に未払いがあったり、支払いが遅れがちなら審査に通る確率がぐっと減ります。
次に、個人事業主や設立したての法人格などを新社会人にたとえてみましょう。
社会人になりたてって、支払い能力の判断がどこでされるのかというと「安定した企業や団体に勤務している」ことです。
立上げしたてのベンチャー企業より、設立30年の安定企業の評価が高くなるって、まあわかります。
設立30年の企業のノウハウや知識で、人事部門がすでに審査している!と考えられるのです。
さて、過去に社内情報として履歴がないときは担当が審査するわけですがそのとき何を見られているか…というと
- 申し込み確認の電話をした時の対応
- 申込書の字や捺印が雑
- 印鑑が必要以上に大きい、立派
- 年齢に比べて収入が多い
- 一度に多くのカードを申し込んでいる
- 職業の安定性
を見ているといわれています。
申込書はきれいに不備なく書くのは当たり前ですが、印鑑が必要以上に大きいというのはちょっと「???」となりました。9mm以上あると、大きすぎ!てなるようです。個人の印鑑でそんなに大きすぎると、虚栄心が強いと判断されるようです。
まあ法人格の場合、法人印など作るのでそれがよほど規格から外れていなければ大丈夫でしょう。
次に一度に多くのカードを申し込んでいる…という点ですが、外部の情報センターにクレジットカードヒストリーの情報開示をすると、問合せ履歴が残ります。
A社が問合せすると、すでにB社もC社もD社も問い合わせていた…という事実がわかってしまうのです。
ですがこの問合せ履歴、実は6か月で消滅します。なので一度何社か申し込んで全て審査に落ちた場合などは、半年待ってもう一度申し込めば履歴はもう消えています。
また、居住年数なんかも見られるみたいです。
いくら豪邸に住んでいてもそこを3か月で引き払っているなら、信用としては落ちます。
築年数の多い古いアパートでも、10年住んでいたらそっちのほうが信用としては高くなります。
石の上にも三年!
以上、いかがでしたか?
ちょっと勉強してみたのですが、審査ってやはり慎重になるのでいろんなところを見るんですね…
でも思ったんですが、日本においては「小さくてもコツコツ続ける」ことの方が重要視されます。なんとなくわかる。
ぱーっと大きく収入が増えたりするということは、それが崩れる可能性も多い!と考えられるのです。
それよりも、コツコツ少しずつ積み上げていったものの方が信用されます。
石の上にも三年ということわざがありますが、まさにそれの世界観なのです。